マーケティングとは?基礎から戦略の立て方までを詳しく解説
様々な場面で見聞きする「マーケティング」という言葉。
「なんとなく意味はわかるけど、マーケティングって具体的にどんなことをすればいいの?」と疑問を抱いている方も多いと思います。
そこで今回は、マーケティングとは?という基礎知識から、企業のマーケティング戦略の立て方までを詳しく解説します。
マーケティングとは
マーケティングとは、「商品やサービスが売れる仕組みをつくること」。
「もしドラ」でも知名度を上げた経営学者のピーター・ドラッカーは、マーケティングについて以下のような言葉を残しています。
「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ」
「商品よりも、顧客に関心を持つのがマーケティングである」
「マーケティングとは顧客からスタートすることである」
この3つの言葉からわかるように、マーケティングとは「顧客の気持ちやニーズを理解し、顧客に合わせた商品を提供する」ことだといえます。
「販売=売り込みをしなくても商品やサービスが自然に売れるような状態を作ること」がマーケティングの理想とされています。
マーケティングとセールスの違い
セールスとは言葉の通り「売ること」そのものです。
営業スタッフが営業活動を行ったり、店頭で販売したりすることが「セールス」の活動です。
対してマーケティングとは「商品やサービスを売れるようにする仕組みづくり」にあたります。
セールスが商品の完成後に行われるのに対して、マーケティングは商品の開発段階から始まっています。ターゲットはどの層にするのか、価格帯はどう設定するのか、どこで販売するのかなど、将来の顧客に関心を向けた活動もマーケティングです。
マーケティングの種類
マーケティングには主に以下のような種類があります。
マスマーケティング
マス媒体であるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、屋外広告などを使用するのが「マスマーケティング」です。
メリットとしては、顕在顧客・潜在顧客を問わず多くの消費者に訴求でき、商品やサービス、企業名などの認知度UP効果が見込めます。
デメリットとしては、マス媒体は広告費用が高いため中小企業にはハードルが高いこと、またパーソナライズした情報提供ができないことが挙げられます。
幅広い顧客層にアプローチしたい場合に向いています。
ダイレクトマーケティング
顧客一人ひとりに対する双方向のマーケティングが「ダイレクトマーケティング」です。テレマーケティング・ダイレクトメール・通信販売・ネットショッピングなどがこれにあたります。
顧客のレスポンスを受けた対応を行うことができ、顧客満足度の高い購入体験を提供することが可能です。
プロモーションの結果をレスポンス率などから計測することができるメリットもありますが、顧客一人ひとりに対応する時間がかかることがデメリットとして挙げられます。
インバウンドマーケティング
顧客が求めている情報を企業が提供するプル型のマーケティング手法が「インバウンドマーケティング」です。
インターネット環境の普及によって、「店に行って買う」から「好きな時に家で買う」に購買スタイルが変わり、顧客は自分が欲しい!と感じたタイミングで能動的に商品やサービスの購入を行うようになりました。
WEB上での能動的な情報収集に企業側が応えられる(見つけてもらえる)ように
ホームページを用意するのはもちろん、ブログ(オウンドメディア)、SNSなど小顧客とのタッチポイントを増やし、適切に情報を提供できることがBtoCの商品・サービスにおいては特に、いま最も重要なマーケティングの基本手法といっても過言ではありません。
マーケティング戦略の立て方
それでは、マーケティングの戦略はどのように立てればいいのかについて解説していきます。
1.市場調査、内部環境の分析
市場調査、内部(社内)環境の分析を行います。
市場調査では、競合他社や顧客のボリューム、市場のニーズなどを分析します。
内部(社内)の分析では、自社についてどのようなイメージを持たれているか、どのくらい認知されているのかなどを分析し、明らかにします。
2.ターゲットを決める
商品・サービスのターゲットを設定します。
市場の細分化(セグメンテーション)を行い、ターゲットを絞り込んでいきます。
3.提供する「価値」を決める
商品やサービスを通じて顧客が感じる「価値」は何かを確定させます。
競合他社や競合商品との差別化ができる「価値」が何なのかを分析することも必要です。
4.提供する「方法」を決める
商品やサービスがどのように認知され、どのように購入されるかの「方法」を決めます。
マーケティングのフレームワーク
マーケティング戦略を立てる際に活用できるマーケティングフレームワーク。どのような場面で使えるのかも合わせて解説していきます。
3C分析
Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3つの頭文字からなる3C分析。
市場調査を行い、顧客のニーズを把握し、競合はどのようにニーズに応えているのか、自社製品やサービスの強みに優位性があるのかを分析します。
「価値を明確化」できる3C分析は、全てのサービスや商品開発において活用することができるフレームワークです。
AIDMA・AISAS
AIDMAとAISASは消費者の購買行動モデルを表す言葉です。
購買行動のもととなる情報源としてマス媒体が主だった時代にはAIDMA、消費者が能動的に情報を探すようになったインターネットメインの現在はAISAS、というように、時代に応じて変化してきた行動モデルを表しています。
【AIDMA】
・Attention(認知)
・Interest(興味・関心)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(行動・購入)
【AISAS】
・Attention(認知)
・Interest(興味・関心)
・Search(検索)
・Action(行動・購入)
・Share(共有)
AIDMA・AISASの「商品・サービスの購入に至るまで(+Share)」の流れを知ることにより、各ポイントでどのような施策を行うかを検討・実行することができ、購入に至る確率を上げることができます。
SWOT分析
Strengths(内部的強み)・Weaknesses(内部的弱み)・Opportunities(機会)・Threats(外部的脅威)の4つの頭文字からなるSWOT分析。
内部環境と外部環境を比較する点では3C分析と似通っていますが、3Cは顧客を中心に分析するのに対してSWOT分析では「自社を中心」に分析するのが特徴です。
「状況把握」に長けているのがSWOT分析は、数々の大企業が取り入れている分析手法です。
【Strengths:内部的強み】
自社や自社商品・サービスの強み。
【Weakness:内部的弱み】
自社や自社商品・サービスの弱み。
【Opportunity:機会】
自社や自社商品・サービスにとってプラスに働こと。
【Threat:脅威】
自社や自社商品・サービスにとってマイナスに働くこと。
PEST分析
Politics(政治)・Economy(経済)・Society(社会)・Technology(技術)の4つの頭文字からなるPEST分析。
市場の将来性や変化の予測を行うことができ、ビジネスにおいてのリスクヘッジとなるだけでなく、外部環境が自社サービスや商品に及ぼす影響を予測して市場チャンスを活かすことも可能になります。
STP分析
Segmentation(セグメンテーション)・Targeting(ターゲティング)・Positioning(ポジショニング)の3つの頭文字からなるSTP分析。
STP分析を行うことにより、自社の商品やサービスの立ち位置を明確化することができます。
【Segmentation:セグメンテーション】
市場を分類します。セグメンテーションで使われる分類は以下の4つがあります。
・デモグラフィック(人工動態)
年齢、性別、家族構成、職種、学歴など
・ジオグラフィック(地理)
居住地域、宗教、慣習、気候など
・サイコグラフィック(心理)
価値観、性格、ライフスタイル、趣味など
・ビヘイビアル(行動)
購買場所や頻度、利用方法、購入される際の状況など
【Targeting:ターゲティング】
セグメントされた市場から、ターゲットとするユーザーを絞り込みます。
【Positioning:ポジショニング】
どのような立ち位置を確立すれば市場・競合の中で優位に立てるのかを見極め、決定します。
5フォース分析
自社を取り巻く5つの脅威を明らかにする5フォース分析。
新規参入時に5フォース分析を行うことにより、自社の強みや課題を見つけたり、ビジネス上のリスクに気づくことができます。
【業界内の競合他社の脅威】
業界シェア率、商品の独自性、ブランド性、資金力など
【新規参入者の脅威】
新規参入にかかるコスト、リソース、必要な期間
【代替品の脅威】
市場規模、価格相場、収益性
【売り手の交渉力】
仕入れ値、仕入れ先の数
【買い手の交渉力】
売れ筋商品の価格帯、買い手が選択できる購入先
PDCA
事業や業務を改善する際に活用できるのがPDCAです。
Plan(計画)・Do(実行)・Check(確認)・Action(改善)の頭文字をとった言葉で、PDCAの4つのサイクルを繰り返すことで、より成果を生み出すマーケティングが可能になります。PDCAのC(Check)をS(Study / 学習)に変えたPDSAサイクルも提唱されています。
評価や点検を行うCheckに対して、新しい発想や発見が生まれやすくなるといわれています。
まとめ
今回は、マーケティングの基礎から戦略の立て方、また戦略策定に役立ついくつかのフレームワークについてご紹介しました。
自社の商品やサービスに合ったマーケティングを行うことで、より多くの消費者に認知され、購入に繋がるケースが増加する可能性が高くなります。
強い企業、強い商品・サービスに育てるためにも、マーケティング戦略を存分に活かしていきましょう。
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